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*  コロンブスとバイキングについてのテレビ番組を見ていて *

 


 
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 8月中旬にテレビで…一体何の番組だったのか憶えていないのですが、『コロンブスとバイキングの比較』と言った趣旨の内容を放送していました。どの局で放送していたのかさえも、いい加減に見ていたので忘れてしまいました。

 コロンブスはヨーロッパからインドを目指して…アメリカ大陸を発見、一方バイキングは大きく三つのグループがあったらしく、そのルートを比較して、それぞれの文化や残したことなどを検証していました。
 それを見ながら、『侵略者を讃える番組って…』という会話が行われました。

 『そう言えばアジアの人って他の国を侵略ってあまり聞いたことないね』
 『部族同士の争いなんかはあったろうけど(日本でも国内の、それぞれローカルな争い)、わざわざ遠くの国まで侵略しようとはあまりしてない感じだよね』
 ということで、ちょっと…いいとか悪いとかではなくて、色々と考えてみることにしました。

 大雑把に、侵略などの行為を多くしていたのはヨーロッパの国々だと思う。いいとか悪いじゃないんです。どの地域でも部族同士の小競り合いなどはあったと思いますが、なんとなく…一つ一つ調べて書いているわけではないので、『他の地域もああだよ、こうだよ』と突っ込んだことを言われてしまってもしょうがないのですが。どうしてそうなのか?ということを考えて行きたいと思います。

 まず…どうして他の人たちの土地や資源(食べ物もそうだよね)を奪おうとするのか?これを考えてみよう。専門家じゃないから、あまり細かいこととか突っ込まれても分かりませんので、あくまでも僕の考えたことと過去に見聞きした内容から考察。そしてこんな場面だったらこうするんじゃないのかなという直観というか思いつきからの内容です。

  1. 気候・風土の問題

 気候・風土の問題が一番大きいのではないかと思います。テレビを見ていた時の家族の言葉、アジアの人はあまり大きな争いがないんじゃないかということから…この地域は温暖なんですよね。日本は温暖湿潤気候、最近は冬以外は亜熱帯だと言われていますが、東南アジアは亜熱帯です。この地域は当たり前ですが、暖かい〜暑い。そして雨(水)が多い地域です。恐らく世界的に考えてもそうなのかと思います。
 他の地域と農業(農業以前のことも後で考えます)では、主食の稲が育ちやすい環境なのだと思います。お米の種類は日本と違っても、お米が収穫できる地域です。ということは、他の農作物も色々とある恵まれた地域なのかと思います。

 一方、ヨーロッパ諸国は昔から戦争だらけでした。島国の日本と違い地続きということもありますが、どうしてそうなのだろう?ヨーロッパも地域が広いですが、多くは寒冷地帯なのかと思います。稲の栽培には向きません。とすると、人々は何を食べる、何を栽培しているのか…それはジャガイモや麦です。ジャガイモはあれですか、南米原産なのかな?だとしたらヨーロッパでは数百年の歴史なので、恐らく麦が主食だったのかと思います。
 お米と麦、お米はそのまま煮炊きして食べますが、麦は多分お米よりも食感など違ううんでしょうね…麦を煮炊きして食べたことないので具体的にはわかりませんが。
 なので…粉にして焼く(パンなど)、麺類や団子のように各地で様々な加工して食べられています。

 私たち日本人はお米に馴染んでいます。麺類もパンも美味しいですが、一生…どれか一種類の主食しか選べないとしたら、やはりご飯を選ぶ人が大多数かと思います。パン屋さんや麺を作っている人はそう思いたくない人もいるでしょうけど、…パンや麺類も捨てがたいなあ(笑)。

 多分…今まで何に馴染んでいたかというのは抜きにして、何も食べたことない人に、『それぞれどれをずっと食べていきたい?』と質問したら、多分ご飯になるんじゃないのかなあっと思います(かなり主観入っています)。

 それぞれの地域の人も昔、何を食べよう?と考えたに違いありません。
 ともかく、作物が多く収穫できるか、出来ない地域か。自分の所で充分だったら、他の人たちの土地や資源を狙おうとしないと思います。
恐らくヨーロッパの歴史の原点はこの食べ物の問題だったのではないだろうかと思います。

 他の地域の食べ物のこと、考えてみましょう。ヨーロッパのように寒冷地域では、夏場は何か農作物を作れても冬は無理だったとします。そこで…冬の間には貯めておいた牧草を与える牧畜が発達していったのではないかと思います。ヨーロッパに限らず寒い地域は同じような理由だと思います。

 日本でも、明治時代に北海道に入植して、本州と違い冬は雪に閉ざされているところなので、やはり牧畜が盛んになりました。なので、北海道の乳製品、ジャガイモ、トウモロコシといった名産品は…その地域に適したいたというのもありますが、『他の農作物を作れなかった』ということになります。
 私が今住んでいる栃木県北部も本州の中では乳業が盛んです。他の地域よりも冬場が寒いから、農作物を一年通して作りにくいから、牧畜の方向に向かったのかと思います。

 モンゴルあたりの遊牧民について、日本と人口密度が違うでしょうから、東京や大阪で遊牧民をするのは無理ありますが、きっとこんな感じなのかと思います。
 広い土地だから、この付近の牧草を牛たちが食べたら、ちょっと移動して違うところで過ごそうというのを繰り返している。そして何年もしたら、最初の食べ尽くした牧草が元に戻っている…というような、そんな生活なのかなと思います。モンゴルあたりは東南アジアと気候が違って内陸だから昼間は暑くて夜は寒い(冬場もかな)、これもまた農作物が作りにくい環境(だから沙漠地帯と言われる)なのも併せてあるのかと思います。
 こうした方法は人口が少ないから出来る方法かと思います。

 以前、何かで読んだ資料では『一家四人が畑などをせず、自然の恵みだけで暮らすにはおよそ世田谷区くらいの面積が必要』ということでした。遊牧民のように生活するには四人家族で世田谷区の面積ということです。
 それが出来ていたら、他の国の土地や食料・エネルギーを奪おうという発想は出てこないのだと思います。

 それで、昔の人たちがグループで協力して農作物を作ろうと考えたのが、農業だったのかと思います。効率よく食料を調達するために畑や田んぼをみんなで協力して作っていったのだと思います。
 前記のように、それでも収穫が少ない地域が結果的に侵略者になってしまう。
 それには際限なくもっともっとと求める、欲の振動波からだと思うのですね。仕方なく食べ物やエネルギーを必要とするのもあると思いますけど。

 菜食中心だと、食料は少なくてすみます。細かい数字は忘れてしまいましたが、要するに人間が食べる農作物を動物に与えて、その肉を食べているわけです。前出のように、冬に農作物がまったく育てられないような地域では仕方なく肉を食べる、これはOKなのではないかと思います。
 今の世の中、事情が違います。日本でも欧米化(タカandトシじゃないけど)した食事が主流です。ヨーロッパと気候も風土も違います。そこで毎日肉料理を食べる、の本だけではなく、世界中でそのような傾向にあります。
 ということは、たくさんの牧草や農作物を家畜に与えています。これは世界人口が少ない時には可能だったのかと思いますが、今人口が70億…でしたっけ、こんな人数になってしまったら、ちょっと考えたら無理(無茶ではなくて理に適ってない)というのは本当は誰でもがわかるはずなんですよね。

 原始人…太古の昔に人間が動物、イメージとしては牛や馬、豚などと出会った時に『美味しそうだな』『食べられるかな』と考えたでしょうか?猛獣ではないので食べられるかもとは思わなかったとしても、捕食するための存在と認識したでしょうか?
 予備知識として焼いて焼き肉のタレをかけたら美味しいとか、そういうことはなしに(笑)、目の前に牛が現れて、その牛を食べちゃおうとは考えないのではないでしょうか。仮にもっと小さい動物、例えばリスやネズミくらいのだったら自分より小さいから食べられるかなと考えたり、他の肉食獣が捕食している姿を見たら、自分も捕まえて食べてみようと思うかもしれません。
 でも、リスやネズミを捕まえるのも命懸けだったのではないかと思います。まず道具がありません。リスやネズミを捕まえようとしても(僕も捕まえたことないので想像です・笑)素早いし、多分抵抗されて齧られたり、爪で引掻かれたりします。それは原始時代の人間にとっては致命傷になりかねません。消毒薬も病院もないのです。指先を噛まれて、化膿したりしたら…手が使えなくなって、他の人の助けがないと生きて行けません。そういうリスクがあったのではないかと思うのです。

 リスやネズミでもリスクがあるのに、馬や牛を素手で捕まえようとするだろうか?しかも食べられるかどうかも分からないですから。

 30-40年前のアニメではじめ人間ギャートルズの印象があるから、『原始人はマンモスを食べていた』と思ってしまうんだと考えています。 

 もちろん、道具を開発してだんだんとマンモスを捕えたりしたこともあると思いますが、あくまでも、第一印象で牛や馬などを食べようと思ったかどうかです。

 温暖な、植物が豊富な地域。寒冷で植物が育ちにくい地域。環境的に食べ物が少ない所では必要にかられて、仕方なく食べるようになったのではないかという、そういう仮定です。

 そうした地域は必然的に農作よりも狩猟が発達します。文化も技能も争って戦うという方向に向かっていくような気がします。
 文明が発達して人口が多くなったら、これもまた必然的に領土拡大(もちろん農耕民族でもその必要はありますが、あくまで比較の場合です)が必要となってしまいます。

 遠くまで行ける船が開発されたら、海の向こうまで行ってみようかと思うでしょ。探究心もありますが、やはりMore&More、もっともっとと…自我と欲を拡大していくように、結果として侵略者になってしまいます。

  2.食糧・エネルギー資源の奪い合い

 関係ないのですが、先日息子と一緒に近くの道の駅で『太陽光調理機』を作る実習がありました。そこで足利大学の先生が説明されていて…実習で作った太陽光調理機は大きさ的には扇風機くらいのサイズで、コップ一杯のお湯が沸かせる(そこに卵を入れておくとゆで卵になる)くらいのものですが。もっと大きなサイズですと、ご飯を炊いたり、色々と煮炊きできます。
 それをアフリカなどの現地の人に提案しているそうなのですが、彼らの生活の中で薪を年間どのくらい使うか…一家族で1トン以上だとか…。それが太陽光調理機で代替え出来る。でも受け入れられない…どうして?彼らから見て『先進国でも使っているよ』というプロバガンダというかイメージがあると、受け入れられるらしいのです。
 アフリカ…国名は忘れてしまいましたが…森林が国土の10%くらいになっているそうです。もちろん、以前はもっと森林が多かった。どうして?森林が少なくなってきているということを認識しても、薪のために伐採するからだそうです。薪の価格は日本とそんなに変わりません、大体は買えないので、自分で伐採してしまうそうなのです。
 今の人口比率は圧倒的に中国が多いですが、今後はインド…そしてアフリカ諸国が人口爆発が起こる。ということは増々そういう傾向になるということですよね。

 10年も前に、『中国の秘境でトウモロコシのスープを食べていた人たちが、上海などに出稼ぎに出て来て、多くの人が肉食メインとなってきている』とそんな記事を読みました。当たり前のことなのですが、一人の人が肉を食べるということは、その数倍〜10倍くらいの穀物を家畜の餌にしなければなりません。
 ずっと前は先進国がそうだったわけです(人口が少ない)。10年くらい前に『中国での飽食…』となって、これがアフリカにまで及んだら、どうなることかは明白です。
 まあこうした問題は、食糧だけではなく、水やエネルギー(単純に仕様電力が増えると、発電所が必要になる。石油?それとも原子力にしてしまうのか)も同様です。

 行きつくところというか、ちょっと考えたら想像できることなんです。でも…こうだからという考えを中国やインド、アフリカの人たちには通じません。何故って?『あsたたち(西洋圏や日本)はそうやって贅沢してきたでしょ、僕たちもお金を持ったらそうしたいよというのは目に浮かびます。

 なんというか…恐らく日本に住んでいるほとんどの人が抱えている問題(老後のこと、親の介護などもろもろ)と地球全体、人類全体が直面している問題はかなり似ています。
 正直、どこから手を付けたらいいのかわからないよというのがほとんどの人の感想だと思います。

 それでも、それでも出来ることから、あの人(個人レベルのことだと身近な人とか、地球環境レベルだとどの国の人とか)がやらないから、なんて理由は付けないで、思いついたことからやっていくしかないですよね。

 私たち地球人は、パワフル。自我と欲の赴く方向にはものすごいアグレッシブに行動します。ということは、視点を少し変えたら、いい方向にもグングンと進んでいってしまうのかも知れない。

 誰もが苦手なことはあるけど、ちょっとでもやれそうかな、やってみようかなと思う事からでもやっていこうよ。

 コロンブスとバイキングの時代に、ちょっと船が作れたからとグングンと見えないところ(地球は球体だからね)まで行って、その土地を侵略してしまうくらいのバイタリティがあるんだから、これから未経験の未知の領域にトライアル出来る可能性は持っているわけです。

 小さなことからコツコツと(笑)。
 でも、大きな目標をココロに秘めていたほうが、続けられるような気もします。
 好きな、自分の好きな方法で。 と言っても選択肢はどのくらいあるのかな?

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人口爆発・世界食糧問題についてはアオバ新聞2012年5月号(27号)にて白井社長が詳しくお話しされています。

 



2013.8.27UP

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